二日めのカレーライス1
近畿地方がまさに梅雨入りしようかという6月15日、昨夜から徹夜で原稿の執筆に没頭していた私は、ふと原稿用紙から目の前のブラインドに視線を向けた。
ブラインドの隙間から差し込む陽の光に眩しさを感じたとたん、視神経がどこで向かう先を間違えたのか食物中枢神経に伝わり、異常なまでの空腹感を覚えたのである。
一昨日の夕方 近所のコンビニで買ったチキンとたまごの入ったサンドウィッチをつまんだきりだった。
「(午後) 1時20分か、メシでも食いに行くか。」
普段仕事場では腕時計は外すのだが、どうやらつけたまま書き続けていたらしい。特に何が食べたいという当てもなく玄関のサンダルをひっかけ 高野は二日ぶりに外に出た。(つづく)